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椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアについて

腰痛

椎間板ヘルニアとは、背骨の「椎間板」という組織の一部がとび出して神経を圧迫し、腰痛・足のしびれ・神経痛などを引き起こす病気です。保存的療法と手術による治療方法があります。患者様の中には高価なレーザー治療や手術をしなくても、自然と症状が緩和へと向かう方もいることが分かってきました。

こちらのページでは、椎間板ヘルニアに関する皆様の疑問にお答えします。

1.椎間板ヘルニアになりやすい人はどんな人?

比較的若い20代、30代の男性に多いですが、40代、50代の方にも起こります。

椎間板に無理のかかる肉体労働者や、前かがみの姿勢で長い時間作業する方、あるいは座りっぱなし、立ちっぱなしの仕事をする方にも起こりやすいです。また、腹筋・背筋が弱っている方、肥満の方にも起こりやすいといわれています。

2.椎間板ヘルニアではどんな症状がでますか?

典型的な症状は、激しい腰痛と左右どちらかの太もものうしろからすね、足にかけてのしびれや痛みです。いわゆる「坐骨神経痛」といわれる痛みです。

この痛みは、前かがみの姿勢になったり、椅子に座ったときに特につらくなるのが特徴です。症状が強い場合、足首や足の指を曲げ伸ばしする力が落ちる、あるいはすねや足を触っている感覚がわかりにくくなるなどの「神経麻痺」の症状がでることがあります。

重症の場合にはおしっこや便が出にくくなる、いきみにくくなるなどの症状がでることもあります。

3.椎間板ヘルニアが疑わしいときは?

疑わしい症状がある場合は、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医の診察を受けることをお勧めします。

また、検査では「MRI検査」が重要になります。この「MRI検査」は磁石の力を使って調べる検査で、機械の中で30分ほど寝ているだけですから、入院する必要はなく、針を刺すような痛い検査でもありません。

4.ヘルニアは手術をしないと良くならない?

ヘルニアには手術が必要なヘルニアと、自然に良くなるヘルニアがあります。

ひと昔前は「椎間板ヘルニアは手術をしないと良くならない病気」と考えられていて、ヘルニアが見つかるとすぐに手術をして飛び出したヘルニアをとっていました。ところが、現在ではMRIが簡便に撮れるようになり、椎間板ヘルニアの多くは、1カ月~3カ月くらいで自然に吸収され、症状も改善することが分かってきました。特に造影剤を使ってMRIを撮影すると、今後果たしてそのヘルニアが自然に小さくなっていくものか、それとも小さくなりにくいものか判断しやすくなりますので、気になる場合はぜひご相談ください。

たとえMRI検査で、飛び出したヘルニアが小さくなっていなくても、症状が改善するケースもたくさん存在します。ですから、「椎間板ヘルニア」と診断されても、よっぽど症状が重い場合を除いて、最初の3カ月間くらいは、まず手術ではない治療で粘ってみてください。

具体的には、痛みのつらいときにはご本人の一番楽な姿勢で休む、痛み止めのお薬を飲む、あるいは牽引や温熱療法などのリハビリを行うなどです。また、神経の炎症を抑えるお薬と痛み止めを混ぜて神経の周りに直接注射するいわゆる「ブロック注射」も作用が期待できます。

5.どんな場合に手術が必要ですか?

リハビリやブロック注射などの治療を行っても、症状が取れない患者様は少なからずいらっしゃいます。その場合は手術を行います。

ただし、手術をしたからといって、症状の全てが改善するとは限りません。手術前の状態によっては、手術をしても症状の一部が残ってしまうこともありますので、そのあたりを担当医とよく相談し、十分納得した上で手術を受けるかどうか決断すべきだと思います。納得できない場合はセカンドオピニオンを聞きに行くことをお勧めします。

足の力がどんどん落ちて歩きにくくなっている場合、あるいはおしっこの出が悪くなっている場合は、手術後にもそれらの症状が後遺症として残ってしまうことがあるので早めの手術をお勧めします。

手術が必要な場合には連携大学病院にて、入院・検査・手術まで責任をもって治療いたします。大学病院での手術は私自身が執刀します。この地で大学病院と同じレベルの医療を少しでも早く多くの方に受けていただけるよう努力しています。お気軽にご相談ください。

6.手術はどんなことをしますか?

手術は背中の一部を切開して、飛び出したヘルニアを取り除く方法が一般的です。私が診療を兼務している藤田医科大学病院整形外科では、背骨や筋肉に対するダメージが少なくヘルニアを摘出できる「顕微鏡手術」を行っています。

全身麻酔で背中を3センチほど切開して行います。およそ40分間の手術です。

7.手術をしたあとしばらくはベッドの上で寝たきりですか?

翌日から歩行訓練を始め、順調なら3日後に退院していただけます。

8.いわゆる「レーザー治療」とは?

椎間板に針を刺して針の先から椎間板に中心の「髄核」にレーザーをあて、蒸発させてしまう方法です。局所麻酔で切開しないで行えますが、全てのヘルニアに対処できるわけではありません。レーザー治療に適さない症例に行うと、かえって神経や骨を傷めてしまう恐れもあります。また、健康保険は使えません。

自分のヘルニアがレーザー治療に適しているかどうか、担当医に相談して確認するのが良いでしょう。

9.ヘルニアにならないよう、普段気を付けることは?

椎間板にあまり無理をかけないように心がけてください。中腰の姿勢、椅子に座ったまま前かがみになるような動作はなるべく避けたほうがいいでしょう。物を拾ったり、掃除機をかけたりする動作にも注意が必要です。

また、普段から椎間板を良い状態に保って老化を防ぐ事も必要です。椎間板は体のほかの組織と違って血が通っていません。椎間板に軽い圧力が繰り返し加わることで、ちょうどスポンジを押したり放したりすると、水が出たり入ったりするように、周りの組織から椎間板に酸素や栄養分が出たり入ったりします。

肉体労働で激しい負荷をかけるのも椎間板を傷めますが、ずっと同じ姿勢で長い時間いることは椎間板が絶えず潰れた状態にあることになり、あまり良くありません。睡眠不足も同じで椎間板にとっても休む時間がなくなってしまいます。水泳、水中歩行、あるいはウォーキングなどの軽い運動を毎日行うのが良いでしょう。

10.自宅でできる腰に良い運動法などはありますか?

日ごろから腹筋・背筋を鍛えておくと、背骨にかかる負担を減らしてやることができます。毎日「10回ずつ」でいいですから、仰向けに寝て膝を伸ばしたまま両足をそろえて床から20センチほど10秒間上げる運動を行ってください。これは腹筋を鍛える運動です。

また、うつぶせに寝て両足をのばしたまま10秒間くらい体全体を反らせる訓練をしてください。これは背筋を鍛える運動です。

これらは、腰痛のつらい時期には行うと帰って腰痛が悪くなることがあるので、腰痛のあまりつらくない時期に行ってください。